三味線撥修理 その1

津軽撥惣甲交換修理

1.津軽鼈甲撥を落とされて割れた部分が大きかったので、お客様と今後の使用も考えて片耳甲修理でなく惣甲全てを交換することになりました。

2.最近ではなかなか鼈甲の素材が枯渇しており手に入りにくい状況でございましたが条件に合う鼈甲を見つけていただき画像のように綺麗に仕上がりました。今回お時間は3週間の予定でございましたが、2週間で仕上がりました。

3.今回は手元黒水牛台の津軽撥を修理させていただきました。手に馴染んだ撥が修理により新しく生まれかわって、また長く使っていただけるので壊れたり撥磨きで甲が減った場合は是非お問い合わせくださいませ。



カスタム新品 津軽撥 黒水牛台×鼈甲 特注組み合わせ

1.手元が黒水牛台の津軽鼈甲撥を探されていたお客様のご依頼で完成品もなかなか手に入らないため、特注でどちらも素材からお選びいただき組み合わせることに致しました。

2.手元黒水牛台でございます。独特のツヤがあり、手に吸い付くような素材で愛用者が多い手元でございます。

3.素材の高騰とお客様のご要望もあり、お求め易い価格帯の鼈甲をお選びいただきました。

4.手元黒水牛台の既製品であれば、鼈甲の飴色も多い素材が組み合わさっている場合が多いですが、現在はコストや材料不足のため既製品が手に入らない状態が続いております。弊店ではお客様に鼈甲の価格帯にご納得いただいて組み合わせております。

5.お客様にお選びいただいた素材で特注させていただいた撥でございます。

ひらきや全長、重さなどもカスタムできますのでお客様が使いやすいサイズに仕上がっています。

6.お手元の使いやすい撥を参考に、サイズ、重さなども特注できますので世界にひとつだけのお客様仕様の撥が気になられた方はお気軽にお問い合わせくださいませ。


※ご参考に

こちらは以前ご依頼いただいた手元を紅木台にした津軽撥でございます。

飴色を多めの鼈甲ご指定分で4枚の中から選んでいただきました。

鼈甲の柄の特注は是非お問い合わせくださいませ。



津軽撥両耳付け修理

1.津軽鼈甲撥を愛用なさり、かなり幅(ひらき)が狭くなったとのことでお客様と予算と修理内容を御話させていただき見た目は少し修理跡残りますが両耳甲付け修理になりました。

2.綺麗な鼈甲柄ですので、この鼈甲を残し、耳先の厚みと幅を付けてしっかり弾ける(たたける)撥に修理する必要がございます。

3.ひらき幅が約8cmと狭くなっております。ひらき幅が狭すぎて演奏しにくい状態になっています。


4.修理完成後!遠めからはわかりにくいですが、逆V字で両耳足して付けてあります。

5.近い柄に合う鼈甲を見つけていただき画像のように綺麗に仕上がりました。いままでの耳先を少しカットし先の厚みと被せも広くし補強してあります。近くで見ると修理跡は分かりますが、舞台など遠めからではわかりにくいと思います。今回お時間は約2週間程で仕上がりました。

6.写真では角度により分かりにくいですが、実際には9.5cmのひらき幅になりました。手に馴染んだ撥が修理により、また長く使っていただけるので壊れたり撥磨きで鼈甲が減った場合は是非お問い合わせくださいませ。


お客様の声

「津軽撥両耳付け修理」をご依頼いただきました静岡県S様より暖かいお言葉をいただきましたので、S様の了承のもと掲載させていただきます。

 

静岡県S様よりいただきましたお言葉

この撥は、津軽専用の撥という事で、30年に購入し長年使い込んで、削りに削ってしまいました。
しかし、これ程見事に再生できるとは思いませんでした。
鼈甲模様も違和感なく、新品と同じ感覚で使えます。
また、こちらの予算の中で仕上げて頂き、ありがとう御座いました
またの機会がありましたら、よろしくお願いいたします。

 

S様

温かいお言葉本当にありがとうございました。

大切な撥でまた多くの皆様にS様の音色が届くことが、私達も嬉しく思います。

また何かございましたら、よろしくお願い致します。 前川楽器店

 

 

 

S様から再度撥修理のご依頼いただきました。

下記の両耳付け修理でございます。

ありがとうございます。


プラ台撥両耳甲付け修理

1.津軽撥両耳甲付け修理していただいた静岡県のS様に再度ご依頼いただきました両耳甲付け修理のご紹介。

既に鉛入り120gにカスタムなさっていらっしゃるプラスチック撥を写真のように耳甲付けでご依頼いただき誠にありがとうございます。

※下記コメントにございますように地唄撥をカスタムなさったみたいで素晴らしいですね

2.撥のひらき幅を8.5cmとご指定いただき、かつ津軽を弾かれることも考慮して耳先の厚みを考えさせていただきました。

3.撥のバランスも考えて、ほんの少し幅広くなることも伝えさせていただきました。


4.なるべく綺麗な鼈甲を両耳に使い、仕上げさせていただきました。

綺麗さと厚みも出しております。もともとの撥の特徴から少しやわらかな津軽曲に適しそうですね。

5.プラスチック撥の先が割れており、お預かりした段階からカットしてあった部位。甲の被せも少しひろめに。

6.耳甲にするためにカットさせていただいた部位は強度を残すためにカット部位は短めに。左右の大きさの違いで音色を楽しんでいただく仕上げとなっております。

 

再度ご依頼いただき本当にありがとうございました。


お客様の声

前回「津軽撥両耳付け修理」、今回「プラ台撥両耳甲付け修理」をご依頼いただきました静岡県S様より再度暖かいお言葉をいただきましたので、S様の了承のもと掲載させていただきます。

 

静岡県S様よりいただきましたお言葉

今回、二回目の耳付け修理依頼となりました。
今回も申し分なく大変丁寧な仕上げをして頂きまして、誠にありがとうございました。
このねり撥は、昔の地歌用の撥のようで、長さが19cm、重さが200gほどありました。
昔のねり撥の為か、材質が非常に固く撥の音質が良かったので、津軽の撥用に握りをカットし、鉛を削り120gの重さに改造しました。
しかし、鼈甲撥のような撓りが無いために、先が割れてしまいました。
今回の修理に際しては、撥先の割れた部分と、新たにカットして耳を付けて頂いた部分の大きさと、鼈甲の厚みに違いをつけてくれました。
それによって、それぞれ音色の違いが出て、曲味を楽しむことができました。
それでは、またの機会がありましたら、宜しくお願い致します。

 

S様

再度御依頼いただき、また今回も温かいお言葉本当にありがとうございました。

左右大きさの違う耳甲撥でそれぞれの音色を楽しんでいただいているとのことで、私達も嬉しく思います。

また今後とも、よろしくお願い致します。 前川楽器店

 

 


プラ台耳牙撥片耳甲付け修理

1.民謡プラ台耳牙撥・耳甲付け修理のご紹介。

落とされて割れてしまった片方の耳象牙撥先の修理で象牙をつけることもできますが、お客様と御話しさせていただき、強度、用途、お客様がもう1点両耳牙撥をお持ちであるということから、大きめの鼈甲をつけさせていただくことになりました。

2.大きく割れてしまっていますが、片方はまだ使用できますし、勿論割れた側もしっかり使えるように修理可能でございます。

3.強度をだすため、大きめの鼈甲で耳甲修理致しました。両耳牙と雰囲気変わって特徴的ある撥となりました。

4.片耳牙・片耳甲の民謡撥。カスタム仕様で特徴的ですね。ある種ご自宅でお稽古なさる時に象牙・鼈甲の音色の違い(曲にあうかどうか)をすぐ試せるのはいいですね♪



黒水牛台鼈甲津軽撥両耳甲付け修理

1.黒水牛台鼈甲津軽撥両耳甲つけ修理のご紹介。

落とされて割れてしまった片方の撥先の修理で、お客様と御話しさせていただき、割れていない方もかなり使用なさっていたため、両耳甲でしっかり補強させていただくことになりました。

2.割れていないほうはまだ使用できそうに見えますが、よく見ると先も減り、内部も少しダメージがございますので、両耳甲付けで補強致します。

3.割れた部位と耳甲補強部位の比較。

遠めからでは補強箇所がわかりにくいです。

4.よく見ると、補強つなぎめのラインが左右あるのがわかります。

5.逆面もよく見ないと分からない状態で、両面とも絃をたたく面を大きく補強してつなぎに干渉しないようにしてあります。

6.新品では高価な黒水牛台鼈甲津軽撥。鼈甲全てを変えることも可能ですが、両耳甲つけのみでコストを抑えてしっかり弾けるようにも補強できますよ。

7.お客様の手に馴染んでいる撥の修理ですので、修理後も弾きやすく、仕上がり具合も好評でございます。



プラ台鼈甲津軽撥両耳甲付け修理

1.プラ台鼈甲津軽撥両耳甲つけ修理のご紹介。

上の黒水牛台と同じ団体の方からご依頼いただき、こちらも割れてしまった片方の撥先の修理でございます。お客様と御話しさせていただき、割れていない方もかなり使用なさっていたため、両耳甲でしっかり補強させていただくことになりました。

2.両耳甲付けしておりますが、写真でもわかりにくいように綺麗に仕上げて補強致してあります。

3.こちら(2の逆面)の右側は割れた部位だったところを耳甲付け補強。こちらもよく見ないと分からないぐらい綺麗ですね。

遠めからでは補強箇所がわからないと思います。

4.割れても修理で綺麗になりますよ

5.鼈甲状況により価格高騰している津軽撥。以前はお求めやすかったプラ台鼈甲津軽撥も手に入りにくく、さらに価格もあがっていますので、修理して永く大切に使っていただければと思います。



プラ台耳甲長唄撥両耳甲付け修理

1.プラ台耳甲長唄撥両耳甲つけ修理のご紹介。

中国地方のお客様が弊社HPよりお問い合わせいただき、修理ご説明・お見積もりを経て、ご依頼いただき有難う御座いました。

こちらの撥は譲っていただいた想い入れのある撥が虫喰いにより傷んだ両耳甲の撥先の修理でございます。少し小ぶりのサイズの撥でしたがお客様と御話しさせていただき、両耳甲でしっかり補強させていただくことになりました。

2.既製品の両耳甲長唄撥で綺麗に見えますが、よく見ると右上や左側面から表面に虫喰いが確認出来ます。

3.右側の虫喰い箇所

遠めからはわからなかった虫喰い箇所がはっきりわかります。

4.左側の虫喰い箇所

表面の虫喰い箇所が広範囲でざらざらした状態になっています。

5.両耳甲修理完成品

かなり小さめの長唄撥で耳甲付け箇所が小さい材料で済んだため、職人の方に綺麗な鼈甲をお選びいただきました。

6.元の鼈甲の土台を利用、補強しながらしっかり弾ける耳甲撥に仕上げていただき、お客様にもお喜びいただきました。

7.カットした鼈甲の部分もお客様にお返しさせていただき、修理前後の違いをご確認いただけるようにしております。鼈甲・象牙ともに材料費高騰により昨年末(2020年末)から撥修理やカスタムのお問い合わせを大変多くいただいております。いままでの修理内容をご覧いただければご参考になるように、破損しても土台を利用しての修理可能でございますので是非ご検討いただき限りある材料を大切に繋いでいくお手伝いになればと思っております。



白水牛台鼈甲津軽撥両耳甲付け修理

1.白水牛台鼈甲津軽撥両耳甲付け修理のご紹介。

東北地方のお客様が弊社HPに気付いていただき、ご家族の関係で佐世保に御滞在時に撥をお持ち込みいただき、修理ご説明・お見積もりを経て、ご依頼いただき、誠にありがとうございました。

先ずお客様のご要望はプラ台に付いている鼈甲を水牛台に付け替えて全長を伸ばすというご依頼いただき、寸法等から当初は対応可能でございましたが、実物の甲の状態(薄さなど)を職人と幾度も詰めて最終的には付け替え可能ではありますが、甲の状態や今後の耐久性等から水牛台の撥を両耳甲で補強したほうがおすすめである旨お伝えさせていただき、予算も考慮し全長の伸ばし加工はせずに、両耳甲でしっかり補強させていただくことになりました。

2.プラ台の鼈甲で綺麗に見えますが、修理してあり甲も薄い状態でございますので、この鼈甲を白水牛台に付け替え用として利用するのではなく、お客様にはこのまま御使用いただくことをおすすめ致しました。

3.白水牛台の鼈甲 修理前

当初はこちらを外して、プラ台の鼈甲をこちらに利用する予定でしたが、一枚甲の強さ、現状では高額な質のため、この鼈甲を利用して耳甲付けをおすすめさせていただきました。

4.両耳甲修理完成品

綺麗な質(柄)の鼈甲を付けて、撥のバランスを考えてのひらきとなっています。

5.カットした部分もお客様にお返し致しております。

 

6.よく見ると、補強つなぎめのラインがわかりますが左側の模様のある部位はかなりよく見ないとわからないぐらい綺麗に仕上がっています。

7.鼈甲の飴色が鮮明な上質な部位でもカットした部位、補強した部位は遠めであればわかりにくいと思います。

 

8.柄がある部位は意識しないと普通に見ただけでは補強した部位は近くでもわかりにくいと思います。

9.永く使っていただく点と耐久性も考慮して両耳加工部位を厚めに仕上げていただきました。今回は年末年始の時期、またご提案でのご確認などもあり、半月程お時間いただきました。

本場東北の方からご依頼いただき誠にありがとうございました。

お客様のご要望と撥の状態によるご提案などお時間お手数お掛けいたしますが丁寧に対応することを常に心がけていますのでお気軽にお問い合わせくださいませ。



プラ台鼈甲津軽撥片耳甲付け修理

1.プラ台鼈甲津軽撥片耳甲付け修理のご紹介。

中国地方のお客様が弊社HPよりお問い合わせいただき、修理ご説明・お見積もりを経て、ご依頼いただき誠にありがとうございました。

耳甲で仕上げた際の開き幅なども御指定いただき、対応させていただきました。

2.今回修理箇所とは別のもう片方を他店様で修理なさったとのことで、御丁寧にその際の破片を同梱いただきました。

3.修理部位の確認。

当初弊店に送っていただきました画像では確認出来なかった箇所が実物をチェックして確認出来、詳細をお客様に伝えさせていただきました。(お見積もり金額に変更はない箇所でした)

4.現物により気付いた修理箇所

裏側からの角度で鼈甲の中に、亀裂が入っています。ここも耳甲修理でカバーできるため、お伝えだけ致しました。

5.修理完成品

左側が耳甲修理箇所でございます。画像ではわかりにくいように、遠くから見ても修理したような感じには見えません。

 

6.裏側からみた画像で、右側が修理箇所になります。よく見るとラインがわかるかもしれませんが、勿論遠くからではわかりにくいです。

7.角度を変えて、光を当ててみると修理箇所がわかると思います。破損部分を厚めの鼈甲でカバーして、今後もしっかり弾けるようにしてあります。

8.今回も永く使っていただく点と耐久性も考慮して片耳加工部位を厚めに仕上げていただきました。今回は3週間程お時間いただきました。

弊店のHPをご覧いただいてからご依頼いただき誠にありがとうございました。

お客様のご要望と撥の状態によるご提案などお時間お手数お掛けいたしますが丁寧に対応することを常に心がけていますのでお気軽にお問い合わせくださいませ。



プラ台鼈甲津軽撥片耳甲付け修理

1.プラ台鼈甲津軽撥片耳甲付け修理のご紹介。

東海地方のお客様が弊社HPよりお問い合わせいただき、修理ご説明・お見積もりを経て、ご依頼いただき誠にありがとうございました。

割れた部位をご自身で接着なさった撥も修理対応させていただきました。

2.今回修理箇所になる割れた部位をお客様ご自身で接着修理なさったとのことで、その部位を一度外して修理を行うか、接着したべっ甲も利用できるかの状況をチェック。

3.修理部位裏側からの確認。

当初弊店に送っていただきました画像では確認出来なかった箇所が実物をチェックして確認出来、詳細をお客様に伝えさせていただき、接着したべっ甲を土台にした耳甲修理を伝えさせていただきました。(お見積もり金額に変更はない箇所でした)

 

4.修理完成品

右側が耳甲修理箇所でございます。画像ではわかりにくいように、遠くから見ても修理したような感じには見えません。

5.中央左の白い点は接着部位。べっ甲でコーティングしているので表面は滑らかです。右側の飴色と黒の境(の内側)によく見ると土台の甲をカットした部位が確認出来ますが、耳甲加工したべっ甲の柄でちょうど被せてあり、修理箇所をわかりにくくしてあります。

 

6.表面にあたる光の具合でべっ甲をコーティングしたラインが確認出来ます。

破損部分を厚めの鼈甲でカバーして、今後もしっかり弾けるようにしてあります。

7.もう片側から見た状態。

こちら側の加工処理は本当にわかりにくいですよ

8.今回も永く使っていただく点と耐久性も考慮して片耳加工部位を職人に伝えて厚めに仕上げていただきました。

弊店のHPをご覧いただいてからご依頼いただき誠にありがとうございました。

お客様のご要望と撥の状態によるご提案などメールもしくはお電話でのやりとりで、お時間お手数お掛けいたしますが丁寧に対応することを常に心がけていますのでお気軽にお問い合わせくださいませ。

今回の仕上がり実物を見ていただき、依頼して良かったとお喜びのメールも頂戴して本当に感謝致します。